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母親の無罪を証明しないといけない娘、そしてジレンマ…シン・ヘソン&ペ・ジョンオク主演映画『潔白』

2020年06月05日

急性認知症の患者である母親が殺人事件の容疑者として追い込まれる。数十年前に故郷を去った娘は事件の真実を暴き、母親の潔白を証明しようと故郷に戻ってくる。
今月10日に公開する映画『潔白(原題:결백)』は事件の容疑者が母親、事件の追跡者が娘という、母と娘の追跡劇だ。
有名法律事務所のエース弁護士ジョンイン(シン・ヘソン)は、父親の葬式でマッコリに農薬を入れた殺人事件が起き、急性認知症の患者である母親のファジャ(ペ・ジョンオク)が容疑者として追い詰められたという事実を知る。父親の暴力に悩まされ、逃げるようにソウルへ出たジョンインは事件の真実を把握するために故郷に戻ってくる。
母親を容疑者として事件を適当に片付けようとする弁護士の代わりに、自ら弁護を引き受けたジョンインは事件を追跡する中で、市長のチュ・インヒ(ホ・ジュノ)をはじめ、村人たちが何かを組織的に隠蔽していることを知る。
マッコリによる殺人事件の裏にはさらに醜悪な真実が隠れていることを知ったジョンインは、その真実の正体に次第に近づいていくが、同時に正体不明の人々から脅され、母親はずっとジョンインを認識できないでいる。
作品は序盤の早い展開と中盤までのミステリーを高める方式を通じて、ジョンインと共に観客たちをもう一人の事件の追跡者にさせる。
故郷に戻ってからジョンインの前には2つの課題が置かれる。マッコリ殺人事件の真実を突き止め、母親の潔白を証明しなければならない。序・中盤までは観客にジョンインの追跡過程を追従させ、後半には2つの課題が決して同じ結論につながらないという事実と、ジョンインが向き合う内面の葛藤に集中させる。開発と投機、政治家と検察の癒着などの素材も、内容の中に自然に溶け込んでいる。
真実を隠す閉鎖的な田舎の村人たちの姿と隠ぺいされた真実を暴く個人という素材は、なじみ深く新鮮味はないが、『潔白』は真実を暴く弁護士と有力な容疑者が母と娘の関係という設定を通じて一種の冒険をした。母親の潔白を明かさなくてはならないジョンインの切迫さは、やや行き過ぎた新派へ流れかねないからだ。
母と娘の関係の誤解が解消され発生する新派は避けられなかったが、追跡劇という外皮の中に男性の暴力から相手を救うために奮闘する母と娘の相互救援・連帯描写を表現し、他の追跡劇とは異なる道を行く。その描写を通じて後半に表現されるジョンインの葛藤とその結論が説得力を得る。
スクリーン初主演を務める女優のシン・ヘソンの演技は作品が最初から最後まで緊張感を維持させる最大の立役者だ。彼女は母親に対して愛情と切なさなど複雑な感情を持った娘であり、冷徹な弁護士としてのジョンインを自由自在に行き来する。
特殊メイクまで敢行し、認知症の老人を演じたペ・ジョンオクの演技はさすがだ。多層的な演技で、果たしてファジャが隠している別の真実があるのか、好奇心を刺激する。
当初は今年3月の公開予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響で延期され、先月27日に公開日を確定したが、コロナウイルスの再拡散により再延期された。今月11日に公開日を決めたが、1日繰り上げて遂に公開される。

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