KBS WORLD

ユンナにTeiにソン・シギョン…2000年代デビューの歌手たちがチャートを逆走行

2022年11月15日

2000年代初頭から半ばにデビューし、20年前後のキャリアを誇る歌手たちが今年の秋、音源チャートで強勢を見せている。
これらの歌手の楽曲は、30代以上の歌謡ファンには、当時の思い出を蘇らせ、若いZ世代には新鮮な魅力を届けるという評価を得ている。
今年の秋、最も熱い反応を得た歌手は2004年にデビュー(日本基準)したユンナだ。
ロックをベースにし、さまざまなジャンルを合わせる彼女は、6thアルバムのリパッケージ盤のタイトル曲「Event Horizon」が口コミで広がり、発売から半年が過ぎても音源チャートの1位を席巻する底力を誇った。
特に、バラエティ番組の出演やTikTokなどのショートフィルムコンテンツの助けなく、 “歌の力”で達成した記録という点で、歌謡界の大きな関心を集めた。
ユンナは最近応じたインタビューで、これについて「6thアルバムは、コロナ禍のまる11カ月間を使って作ったアルバム」とし、「会社のスタッフの励ましを受けながら、力を合わせて作った音楽。私たちだけで聴くのはもったいないから、友だちにプレゼントしようという気持ちで、みんなのエネルギーを集めて作ったのがよい結果として出たようだ」と述べた。
今年の秋のチャートで頭角を現したもう1人の歌手はユンナと同様、2004年にデビューし18年のキャリアを持つTeiだ。
彼は2000年代の初頭から半ばにかけて、共に歌謡界を席巻したバンドBuzzのヒット曲「Monologue」(2003)をリメイクした同名の楽曲で、韓国最大の音源サイトMelOnの「TOP10」入りを果たした。
MelOnチャートの「TOP100」にユンナ(1位)、(G)I-DLE(2位)、LE SSERAFIM(3位)、IVE(4位)、NewJeans(5・8位)など、今年最高ヒットを記録した歌手たちがいるのを見ると、「Monologue」の人気を容易に察することができる。
「Monologue」は、“二度と僕のような人と付き合わないで/もし会いに行っても二度と/僕を許さないで”と、別れた恋人に対する思いわずらいを歌ったロックバラードだ。
原曲のBuzzバージョンも2000年代中盤、男性のカラオケの“十八番”としてよく歌われたほど、人気を博した。
TeiはオリジナルのBuzzのボーカル、ミン・ギョンフンが出演するバラエティ番組に出演。持ち前の爽やかな唱法でこの楽曲を熱唱した。楽曲が実際にリメイクされ、昨年11月に放送された番組での映像もまた、話題となった。
音楽ファンたちはこの楽曲を通じて、約20年前の記憶が蘇ったという反応を示した。
あるリスナーはMelOnの「楽曲コメント」に、「学生時代に聴いていたBuzzの歌をTeiバージョンで聴けたのでうれしい」、「Teiの楽曲も聴くようになった。なつかしい」と残した。
興味深いのは、BuzzとTeiの全盛期を経験したことのないZ世代(1990年代後半から2000年代序盤生まれ)たちも、この楽曲を消費しているということだ。
MelOnのコメントの中には、「この方、最近人気があるようだが、有名な方なの?」というものもあった。Teiをよく知らないリスナーの純真無垢な(?)反応が目を引く。
「Monologue」はこのような反応に支えられ、最近のNAVER MUSIC基準の「10代男性が最も聴いている音楽」のTOP10にも名を連ねた。
大衆音楽評論家のチョン・ミンジェ氏は「最近はバラードも感情を爆発的に表に出さず、洗練された感覚を出そうとする“ポップスタイル”が多い。『Monologue』はかなり“歌謡風”な楽曲で、親しみを感じさせる」とし、「このような面から音楽ファンたちにアピールしたようだ」と分析。
さらに「Teiはとても歌がうまいので、原曲よりも感情をドラマチックに表現した」とし、「原曲が持つ魅力を極限に生かした」と評価した。
2000年に「The Road To Me」でデビューした“バラードの皇太子”ソン・シギョンは、8年前にリリースしたドラマのOST「Every Moment Of You」をMelOnチャートの20位圏にのし上げた。
ソン・シギョン特有の甘いボーカルにピアノと弦楽器の旋律が加えられた秋の感性によく合う“正統バラード”が、音楽ファンたちに選ばれたという分析が出ている。
また予約販売開始と同時に完売となるソン・シギョンの年末コンサートのシーズンが近づき、ファンたちが改めて彼の楽曲を聴き始めているという見方も出ている。

エンタメ情報一覧へ 次の記事