ピアニストのチョ・ソンジン、「音楽家として成長したい」
2025年01月28日

「ラヴェルを勉強しながら、この作曲家がどれほど天才なのかを改めて感じた」
ピアニストのチョ・ソンジンが今年、誕生150周年を迎えるフランスの作曲家ラヴェルのピアノ独奏曲全曲を盛り込んだ7thアルバムを出した。
現在、ドイツのベルリンに居住し、ベルリンフィルハーモニーの常駐音楽家として活動しているチョ・ソンジンは最近、アルバム発売記念記者懇談会をリモートで開き、オンラインで記者たちと会った。
チョ・ソンジンは、「印象主義音楽に初めて接する方々にドビュッシーとラヴェルの何が違うのか、お見せしたかった」とし、「多くの方がアルバムを通じて、ラヴェルの音楽世界を垣間見ることができるきっかけになってほしい」と、アルバムを紹介した。
チョ・ソンジンが、「ラヴェルのピアノ全曲をレコーディングすれば、(ラヴェル誕生150周年を)ちゃんと記念できると思った」と語り、まずレコード会社「ドイツ・グラモフォン」に、このアルバムのレコーディングを提案したと伝えた。
フランス・パリで音楽を勉強したチョ・ソンジンにとって、フランスの作曲家・ラヴェルのピアノ全曲をレコーディングするということは、ある意味自然なことだ。
彼は、「幼い頃からラヴェルの音楽に接し、身近な音楽家だった」と述べ、「小学校5年生の時、ラヴェルの『鏡』の中の『道化師の朝の歌』の曲を、(ラヴェルの音楽として)初めて接し、その曲を2006年8月にクムホアートホールでのリサイタル(独奏会)で演奏した記憶がある」と、ラヴェルとの初めての出会いを振り返った。
また、イェウォン(芸苑)学校在学時代に男子生徒たちがお互いに難しい曲を弾きながら、スキルを見せたエピソードを話しながら、友人たちがバラキレフの「イスラメイ」を演奏する時も、自分はラヴェルが意図して難しく作曲した「夜のガスパール」の中の「スカルボ」を演奏したと語った。
彼は今年2月からアメリカ、4月から5月にはヨーロッパなど、世界各地でリサイタルを開き、今回のアルバムに収録されたラヴェルのピアノ全曲を披露する予定だと述べた。
チョ・ソンジンは、「このプログラムを一度やってみたが、(インターミッションを含めて)3時間がかかり、最後の楽曲を演奏する時は、精神が混迷した」と明かしたが、「演奏する時よりレコーディングする時のほうが緊張する」とし、レコーディングはいつも大変だと打ち明けた。
彼は、ボストンシンフォニー・オーケストラ(アンドリス・ネルソンス指揮)とコラボレーションしたラヴェルピアノ協奏曲のアルバムも来月リリースする。
2015年に彼が韓国人で初めてショパンコンクールで優勝を獲得し、世間を驚かせてから今年でもう10年になる。
優勝後の10年に対する自らの評価を問われると彼は、「私は平凡な演奏者だ」と述べた。
彼は、「自分自身を評価するのが一番難しいことだ」とし、「この10年間、さまざまな人々に出会い学び、インスピレーションも得て、それなりに頑張ろうと努力した」と落ち着いて伝えた。
「好きな人たちと音楽をするのが、一番幸せだ」と明かしたチョ・ソンジンは、来年の夏頃にある室内楽演奏者とツアーをする計画だと明らかにしたが、演奏者の名前とコラボレーションする楽器は秘密にした。
彼は最後に、「多くのレパートリーを学び、多様な人々にも出会い、音楽家として成長したい」と明かし、インタビューを終えた。