千秋太后役:チェ・シラ
彼女の名はファンボ・スで、後に千秋太后になった。
高麗帝国の創業者である太祖の孫娘で高麗5代王景宗の第3皇后、高麗6代王成宗の妹、
そして高麗7代穆宗の母后だった女性。
大高麗という理想のために自分の血縁と政敵にならなければならなかった。
そしてそのために愛するもの全てを失わなければならなかったが、
自ら高麗という選択を一度も手放すことができなかった。
964年太祖の息子戴宗旭とソニ王后の間に生まれた。
母ソニ王后が早くに他界するとファンボ・スと兄弟たちは
祖母シンジョン皇太后ファンボ(太祖の第4妃)の手で育てられる。
その時、祖母の下で一緒に育った兄弟が第6代高麗国王成宗になるワンチと
第8代高麗国王である顯宗の母であるホンジョン皇后ファンボ・ソルだ。
ファンボ・スは王室の姫として生まれたが、最初からリーダーとして生まれたのではない。
自らの理想を作りそのために体当たりでぶつかりながら成長してゆく人物だ。
西経八関会に参加したファンボ・スは渤海流民の乱闘事件に巻き込まれカンジョとカン・ガムチャンに出会う。
二人との縁と、祖母の教訓によりファンボ・スは散らばって暮す高句麗人、渤海人、新羅人を共にする大帝国高麗を
夢見ることになる。
キム・チヤン役:キム・ソックン
ファンボ・ス、千秋太后の一生の恋人。
新羅王族の子孫で新羅の復興を夢見る男。
彼はファンボ・スが一生をかけて守ろうとした高麗を無くそうと彼女に近付く。
しかし利用しなければならない対象である彼女を愛してしまった。
キム・チヤンは新羅王族の子孫だ。幼い頃は自分の身分を知らないまま
母と山里で暮らしたが、新羅復元の夢を見た父の政敵により母が暗殺された。
その後、苦労しながら父を探すが、その父は彼が到着する直前に息絶えた。
そして女眞人たちが住んでいた地域の片隅、新羅の復興を夢見る主戦派たちの部落で
育つ。
その時から頭に叩き込まれたのは新羅の復興と親の恨みを晴らす事だ。
ファンボ・スとの出会いは運命的だった。彼女を利用しようと彼女について千秋宮に入る。
そして彼女の成長とともに彼の勢力も徐々にその基盤が固くなる。しかし彼はためらう。
彼女に対する彼の愛は既に彼の目的の足かせになっていた。愛と目的が互いの足かせになってしまった。
カンジョ役:チェ・ジェソン
千秋宮の姫時代からファンボ・スのそばを守って来た。
最後の死の瞬間までファンボ・スのためにならどんな苦痛も耐える男。
彼にとって愛は一生の祝福と同時に呪いだった。
カンジョの祖父は渤海の名武将で、父親は定安國の名武将だった。
定安國に反乱が起き父は殺され彼は定安國を脱出して高麗まで来た。
だが高句麗を引き継いだ渤海の子孫である自分たちに
温情を施すはずだという考えとは違い、彼と渤海の流民たちはけだもののように
収容所に閉じこめられてしまった。
その鬱憤を晴らそうと八関会が開かれる日、高麗王に会おうと暴動を起こした。
そしてその日、彼は運命の女人ファンボ・スに会う。
千秋宮に武官として入った日から彼はファンボ・スのそばで彼女を守り彼女の影として生きた。
彼女が王(景宗)の妻になり宮に入った日、御輿についたのも彼だったし、
すべてを失い息子さえ失って宮で追い出されたファンボ・スを守ったのも彼だった。
ファンボ・スを見守りながら彼の中にファンボ・スを女として見る気持ちが
徐々に芽生えていることに自ら苦しむ。
ファンボ・スはあまりにも高貴な存在だったから・・・
ただ側で彼女を守れるだけで満足しなければならないと自分に言い聞かせてきた。
カン・ガムチャン役:イ・ドクファ
高麗の名臣、太祖王健を助けて功を立てた三韓碧山功臣グンジンの息子。
光宗の豪族首切り政策に巻き込まれて家が沒落、17歳の時から
世の中を放浪しながら暮す。
若い頃経験した家門の沒落という逆境にも屈せず、
彼は広い心を持って生まれた人だった。
だから苦難の歳月の中で自分の敵さえも可哀相だという考えを持つようになる。
彼は自分がどんな時どこにいてもあまり不満がない。
ただその時その場でうまく生きさえすれば良いと思っている。
そのため彼は年を取るほどいたずら好きになるが、
だからと言って何の考えもない人ではない。
彼は誰よりも明皙で誰より状況判断も早い。一歩先に進んで考える。
それが彼をもっと奇人のように見せたのかも知れない。
ワンウク(アンジョン・ウク/キョンジュ院君)役:キム・ホジン
太祖の八番目の息子で母親は新羅ギョンスン王の叔父キム・オクリョムの娘である
シンソン王太后金氏。
景宗末期に次期王候補にあげられた人物。
ファンボ家の人間である成宗よりは新羅系のシンソン王后金氏を母に持つ
ワンウクを新羅も先に心に留めた。
しかし彼は権勢欲がない。王になりたくもなく、政治に関わりたい気持ちも全くない。
それよりは自由に生きて行きたい。だが素質がないわけではない。
世の中を見る眼もあり、学問が好きで厚徳な人柄の持ち主。
景宗の死後、婚家に出たファンボ・ソルに再び会い愛するようになる。
ホンジョン王后(ファン・ボソル)役:シネ
千秋太后と成宗の妹で、後日のホンジョン王后で顯宗の母。
景宗の第4妃になるが後にワンウクとの間に顯宗を生む。
清く明るい性格で幼い頃から姉であるファンボ・スや兄である成宗に愛される。
幼い頃、渤海流民事件で出会ったアンジョン・ウクに片思いする。
ところがその片思いは景宗に嫁げという家の命令で遂げられなかった。
しかし宮に入って行っても彼女のアンジョン・ウクに対する愛だけは変わらなかった。
夫の景宗は彼女にとって単なる兄的存在だった。